2009年9月6日16時、大沼公園野球場。顔も見たことのない連中が、募集サイトでの僕の言葉だけを頼りに集まってくれました。
それが埼玉バンディットハイムズの始まりです。
SHOさんはそこに現れた選手の一人。他の皆がそうであったように、もちろん僕とも初対面です。
「すごくいい選手」これが僕の第一印象。
それもそのはず。出身は2007年夏の甲子園で優勝したアノ「がばい」高校だそうで。
次に思ったこと。「でも、この人ほんとに入ってくれるかな?」
この当時、実はウチの他にもう1つ入団を検討しているチームがあったそうです(気持ちはすごくわかりますよ)。
そんな事もありながらすっかりバンディッツの一員となったSHOさん。
1年目から投手として大車輪の活躍をしてくれました。
在籍した4年間、全ての公式戦に出場してくれた数少ない選手の一人。
不調の時もありました。本人も「こんなんでピッチャーやってたら悪い」と思った時期もあるようです(2012年序盤の事ね!)。
でも、そんな状況もしっかり乗り越えて2012年のリーグ優勝につなげてくれました。
「九州から転勤してきて、埼玉には全く知り合いのいない自分が、こんなに楽しく野球をやれるなんて思わなかった。」
「仕事で嫌な事があっても、『今週末には野球がある』そう思えば励みになった。」
最後の日、SHOさんはそう言って声を詰まらせました(もちろん僕も、も~ら~い泣~き♪by一青窈)。
バンディッツは今も変わらず、入団する選手の多くはHPから応募してくる選手です。
学校のOBチームでもなければ、職場のチームでもない。生まれた地域も育った環境も、経歴も、歳も考え方も、同じ思い出なんて何も共有していない人たちが、たったひとつ「ここで野球がやりたい」という思いで集まったチームです。
そんな人たちがたまたま出会って、最後には涙を流すなんて、ちょっとステキな事だと思いませんか。
まだまだ転勤を控えている選手もいるし、これから人生の岐路を迎える選手もたくさんいます。
ひとつの目的を共有した他人が、一時同じ屋根の下で家族になり、そして色んな理由で巣立っていく。
僕はこのBANDIT HEIM(山賊のお家)の主として、巣立っていく選手にはいつでも帰る家がある事を示し、入ってきた選手には居心地の良い寝床を提供する。
そんな責任があるんだなーと思いました。
もちろん、環境が許す限りいつまでだって居てもらっていいんです!